Brain Waves Wanderers 0 憎悪の波動
波動学という生物の脳波を利用した科学が発展した時代。
波動爆弾が開発され、民間人に対し投下されて数億の人間が脳を破壊され苦しみ、死んだ。
シャウラは波動爆弾の胎内被曝の影響で波動者として生まれた。
脳波が勝手に広がり、周囲の動物の脳に不規則な映像が再生されてしまう。
止める方法はない。何も残らず、同じ体質になる人間はいない。
幼少時何年も病院に連れていかれたがどんな医者にも手の施しようがなかった。
わざとではないことが分かっているため、周囲は本人にこのことを黙っていることにした。
一方、魔骸という生物兵器が開発され、研究者を殺して暴走。オスメスの区別のない単性生殖で次々と増殖し、人類を虐殺していく。結果人類は加速度的に絶滅に向かっていった。
17年後、シャウラの波動をコントロールできるもので自分たちのためのものだと信じる邪悪な教団スカラベが波動拡散現象を明かし、シャウラに異様に不気味で騒々しい呪いの言葉や呪いの踊りをはじめた。「モウシタミエン ホモババクソモノミササンモラワサンツカワサン ヨンジュウネンサワイデウナッテヘーボンにビョウーインでシンデッテル」など。シャウラを苦しめると自分たちが救われると信じ込んでいたためだ。結果としてシャウラは自分の体質を知ることができた。
シャウラは農業を生業にしようとしていたが、定住しようとするとスカラベが攻撃してくる。
魔骸は、波動者が近づくと脳波が干渉して一定の動きしかできなくなることが判明。
世界に数名しかいない波動者は魔骸狩りとして活動し始める。
シャウラも不本意ながら、魔骸討伐を請け負うツクヨミという若い女性と契約を結び、魔骸を殺して日銭を稼ぎながら各地を転々とすることになった。
意図的ではないことがはっきり分かっているのに、自分たちの現状に強い不満を持つために邪教を信じてわざわざ交代で長年攻撃してくる邪教団に対して、シャウラは永遠に消えない深い憎しみを持つ。
ある日、雇い主のツクヨミに、競合の強力な魔骸狩りであるスサノオという剣士を始末してほしいという依頼を受ける。
スサノオも波動者であった。
戦い続けることを喜びとして生きてきたスサノオに、平和を好むシャウラは太刀打ちできないが、スサノオは攻撃を止める。
強い相手か徒党を組む相手としか戦わないのがスサノオの信条であった。自分が有利であるとつまらないと言う。
シャウラはスサノオに、自分が定住して農業に専念したいのにスカラベがどこにいっても邪魔をして追い出すため、深く憎んでいることを明かす。
するとスサノオは、その憎しみは贈り物だ、自分の生きる力に変えろと言う。
シャウラは修行に入り、自身の憎しみに向き合い、それを戦力にして剣をふるうよう意識を変え鍛える。
共にスカラベを滅ぼす戦いに協力を要請したのだ。
スカラベには多くの戦士も帰依しており、スサノオも敵としては面白いと承諾。
戦いに旅立つ。
完
別エンド
スカラベは憎まれて死ぬことを喜びとしているため、どれだけ殺してもホモモノミササンなどと不気味にうなって苦しみながらもひきつった気持ちの悪い笑顔で死ぬ。
スカラベは単なる変態の集まりのため、憎んでも殺しても全く意味がない、憎んだり殺すほど喜びを与えることになることに気が付く。
そこで、彼らが近づけない場所を探して旅に出ることにする。
完